以下、夢っぽい文章があります。苦手な方は回避推奨。
コーディネイターなのにブルコスな夢主です。ブルコスアンチな方も回れ右でお願いします。
では、つづきからどうぞ。
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薄暗い室内。バーカウンターと中央に置かれたビリヤード台には、軍服を着た人たちが集まっている。そこは地球連合軍のとある基地内にある娯楽室だった。
彼女はバーの隅の席に座り、ノンアルコールの合成カクテルを手に弄びながら部屋の様子をじっと見ていた。
「聞いたよ。アンタさぁ、コーディネイターなんだって?」
そんな彼女の視界を遮るように一人の女性兵士が立つ。挑戦的な笑みにエキゾチックな化粧、ひっつめた黒髪に肌は褐色。ギザギザに切り裂かれたかのような改造軍服とあいまって、非常にエキセントリックな雰囲気が特徴的だ。
だが、向けてくる視線は軽い口調とは裏腹に、言いようの無い憎しみがこもっている。
「先生が言ってたんだよね……いいコーディネイターは死んだコーディネイターだけだって」
「…………」
沈黙で返す少女に、女性兵士は手を振り上げた。その手には鋭い光を放つナイフが握られている。
「だからさぁ……死になよ!」
ひゅんっ、と風を切る音がした。
室内には女性兵士の凶行を止めるものはいない……そのはずだった。だが、女性兵士のナイフは彼女には届かなかった。
「よせ、ミューディー」
「スウェン! コーディネイターを庇うの!?」
女性兵士──ミューディーの手首を一人の男が掴んでいた。スウェンと呼ばれた男は少女とミューディーを一瞥すると、抑揚の無い声で呟く。
「少なくとも、今は仲間だ」
「仲間? 冗談じゃない! コイツはコーディネイター、バケモノなんだよ!」
表情を険しくするミューディー。室内の人間達も、スウェンと少女に冷たい視線を送っていた。
彼らは皆、ブルーコスモスの薫陶を受けた特殊部隊の兵なのだ。──無論、スウェンたちも含めて。事実、スウェンが彼女を見る目にも、感情はこもっていない。基地内での揉め事が厄介だから止めたに過ぎない、といった風だ。
「例えコーディネイターでも、だ。利用していると考えればいい」
「相変わらずのいい子ちゃんだこと……後ろから撃たれても知らないよ」
そう吐き捨てて、ミューディーはスウェンの腕を振り切ると歩き去っていく。その背中に向けて、彼女が初めて口を開いた。
「ご心配なく、ミューディー・ホルクロフト少尉。私もすぐに死にますから。私以外のコーディネイターを全て殺した、その後に」
淡々とした口調。だが声色には何故だか空恐ろしいものすら感じて、ミューディーは思わず足を止めて振り返った。
「アンタ……一体何者なんだい……?」
少女がミューディーに向き直り、再び告げる。ガラスのような硬質で、感情の無い声で。
「私は……私の名は……」
THE LAST COORDINATOR ~プラント最期の日~
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はい、そんなわけでブルコス夢主でした。相手は……誰だろう。スウェン?
個人的にはジストあたりいいんじゃないかなと思ってます。ハーフコーディーで鼻つまみ扱いされてるし、なんか種割れとかするし(笑)
ちなみに設定としてなんでコーディなのにブルコスなのかっていうと、親が金持ちのエゴイストで、地球上では禁止されている新生児のコーディネイトを夢主に施してしまって逮捕され、夢主だけ連合の施設に引き取られるわけです。ちなみに若いです。キラと同世代くらい?コーディネイト禁止法ができてからの第一世代なので(ホントはもっと前に禁止されてたんだけど、無視する奴多数でもう一回禁止令が出た)
で、軍で使われるようになるんですけど、最初はそれでも穏健派だったんです。「悪いのは勝手に子供を改造したバカ親で、生まれてきた子供に罪は無い」という考え方だったのですが、エイプリルフールクライシスとブレイク・ザ・ワールドを経て考えを変え、コーディ殲滅主義者になってしまいましたとさ。
と、ここまで考えて、設定は面白そうだけどシンとかが死ぬのは嫌なので多分お蔵入り。